タスクが進まないのは、やる気がないからではない|次の行動を「見える化」する

「やりたいことも、進めたいプロジェクトもある。
でも毎日の仕事に追われていると、存在そのものを忘れてしまう。
思い出したときには、何日も進んでいない……。
やっぱり、自分には継続する力がないのかな?」
こういった悩みにお答えします。
本記事の内容
- 行動できない原因は、やる気ではなく「見えていないこと」
- タスクシュートは、次の行動を目の前に出す仕組み
- プロジェクトを進めるには「最小の一手」を見える化する
僕自身、プロジェクトページを作っただけで満足し、そのまま存在を忘れてしまうことが何度もありました。
でも最近、『ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣』を読んで、見方が変わりました。
行動できないのは、意志が弱いからではない。
次の行動が、目に入っていないからかもしれない。
この記事では、本から得た気づきとタスクシュートをつなげながら、「どうすれば次の行動を見えるようにし、今始められるのか」を考えていきます。
行動できないのは、やる気がないからではない
先に結論を言うと、行動を始めるために必要なのは、やる気を出すことではありません。
やるべき行動が、目に入る環境をつくることです。
『ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣』の第6章では、視覚が人間の行動に与える影響について書かれています。
人間は、周囲にある視覚的なきっかけに強く反応します。
目に入るものが少し変わるだけでも、次に取る行動が大きく変わることがあります。
たとえば、水を飲む習慣をつくりたいなら、冷蔵庫の奥に水をしまうより、机の上に水筒を置いておいたほうが始めやすい。
本を読みたいなら、本棚に戻すより、枕の上や机の中央に置いておく。
反対に、スマホを触る時間を減らしたいなら、机の上ではなく、引き出しや別の部屋に置く。
どれも、小さな環境の変更です。
自分の性格や意志を変えたわけではありません。
それでも、目に入るものが変わることで、行動は変わりやすくなります。
つまり、行動できないときに最初に見直したいのは、自分の内側ではありません。
今の環境で、その行動を思い出せるようになっているか。
まずは、ここです。
見えていないプロジェクトは、忘れてしまう
この考え方は、仕事のプロジェクトにも当てはまります。
僕の場合、Obsidianにプロジェクトページを作ることがあります。
目的を書いて、必要な資料をまとめて、やるべきことも整理する。
作った瞬間は「これで進められる」と思います。
でも、そのページを翌日から見なければ、日常のなかで存在が薄れていきます。
クライアントから連絡が来る。
メールを返す。
目の前の作業を進める。
気づけば、重要だったはずのプロジェクトに、何日も触れていない。
これは、プロジェクトへの思いが弱いからではありません。
目の前にあるものへ反応しているうちに、見えていないものを忘れてしまっただけです。
もちろん、「大事なことなのだから、頭の中で覚えておけばいい」という考え方もあると思います。
でも、日々の仕事や生活には、予定・締切・家族のこと・突然の連絡が入ってきます。
そのすべてを覚え続けながら、必要なタイミングで思い出すのは難しいです。
だから、思い出すことまで意志に任せない。
プロジェクトを忘れないためには、プロジェクト一覧を見える場所に置く。
さらに、その中から「今日やる一手」を取り出して、目の前に置く。
見えないプロジェクトを、見える行動に変える必要があります。
タスクシュートは「次の行動」を目の前に出す仕組み
そこで役立つのが、タスクシュートです。
タスクシュートというと、一日の予定を細かく立てる時間管理術に見えるかもしれません。
でも、僕が実際に使って感じているのは、予定を守るための仕組みというより、次の行動を見失わないための仕組みだということです。
タスクシュートでは、一日の予定を何度も眺めるのではありません。
今のタスクが終わったときに、「次は何をするか」を見ます。
ここが、一般的なTodoリストよりも、タスクシュートが「今」に向きやすい点だと感じています。
Todoリストには、今日やるべきことが並んでいます。
しかし、項目が10個、20個と並んでいると、そのたびに「次はどれを選ぶか」を考えなければなりません。
タスクシュートのデイリーリストでは、今のタスクの先に、次の候補が並んでいます。
今やっていることに集中し、終わったら次を見る。
状況が変わっていれば、その時点でデイリーリストを書き換える。
一日全体を完璧に見通すのではなく、現在地から次の一歩を選び直しながら進みます。
タスクシュートで繰り返すのは、とても小さな流れです。
- 次のタスクを見る
- 開始を打刻する
- 実行する
- 終了を打刻する
- また次のタスクを見る
一日分の計画を、ずっと頭に入れておく必要はありません。
今のタスクが終わったら、次に表示されているタスクを見る。
そして「今から、これをする」と開始する。
タスクシュートが目の前に出してくれるのは、一日全体ではなく「今と次」です。
この仕組みには、少なくとも3つの役割があります。
- 頭だけでは覚えておけない予定や行動を、リストで補完する
- 次のタスクを見えるようにして、やり忘れを防ぐ
- 今やることと、後でもいいことを分ける
見えているから思い出せる。
次の候補が目の前にあるから、ゼロから選び直す負担が減る。
そして「今はこれをする」と決めたら、ほかのタスクはいったん後ろに置いて、目の前の実行に集中できます。
だから、予定がズレても問題ありません。
実際の状況に合わせて順番を入れ替え、次の行動を選び直せばいい。
以前の記事でも書きましたが、タスクシュートは時間割ではありません。
時刻どおりに動くことより、現実に合わせて「次に何をするか」を見える状態に保つことが大切です。
タスクシュートを使うことで、頭の中にあった「やらなければ」が、目の前の「今からこれをする」に変わります。
ここに、行動を始めやすくする力があります。
プロジェクトを「最小の一手」まで小さくする
ただし、プロジェクト名をそのままタスクシュートに置くだけでは、行動できないことがあります。
たとえば、次のようなタスクです。
- ブログを書く
- 新しい講座を作る
- Shopifyストアを構築する
- 新しいサービスを考える
これらは、やるべきことの方向は分かります。
でも、開始ボタンを押した直後に「具体的に何をするのか」が分かりません。
タスクが大きすぎるからです。
「ブログを書く」を始めようとしても、テーマを決めるのか、構成を作るのか、本文を書くのか、画像を作るのかで行動が変わります。
これでは、目に入っていても始めにくい。
そこで、プロジェクトを「今すぐ動ける最小の一手」まで小さくします。
- ブログを書く → 仮タイトルを3つ書く
- 講座を作る → 第1章の見出しを並べる
- Shopifyストアを構築する → 開発テーマをプレビューする
- 新しいサービスを考える → 想定する顧客の悩みを1つ書く
ポイントは、タスクを見た瞬間に、最初の動作が分かることです。
完了できる大きさよりも、開始できる大きさを意識します。
大きなプロジェクトも、実際に進む瞬間には、必ず一つの具体的な行動になります。
プロジェクトを一気に終わらせることはできません。
でも、仮タイトルを一つ書くことはできる。
Obsidianのページを開くことはできる。
参考資料を一つ読むことはできる。
その小さな一手が次の一手を生み、結果としてプロジェクトが進んでいきます。
まずは1分だけ、目の前のタスクを始める
ここまで読んで、「小さくしても、始められない日はある」と感じるかもしれません。
その通りです。
見える化すれば、毎回必ず行動できるわけではありません。
疲れている日もあれば、気が乗らない日もあります。
だから僕は、完了ではなく「1分だけ着手する」ことを大切にしています。
たとえば、ブログ記事を完成させようとすると重い。
でも、Obsidianを開いて仮タイトルを一つ書くだけなら、始められるかもしれません。
始めてみて、1分でやめてもいい。
そのまま進められそうなら、もう少し続ける。
重要なのは、その日にプロジェクトを終わらせることではなく、プロジェクトとの接点を切らさないことです。
そして、この小さな着手を目の前に出してくれるのが、タスクシュートのデイリーリストです。
「新しい講座を作る」という大きな名前ではなく、
「第1章の見出しを1つ書く」という始められる行動を置く。
それを見たら、開始を打刻する。
この繰り返しなら、やる気が十分に高まるまで待つ必要がありません。
終わらせるより、はじめる。
僕にとってタスクシュートは、そのための仕組みになっています。
まとめ:やる気を出す前に、次の行動を目の前に置く
最後に、この記事の要点をまとめます。
- 人は、目に入るものから強い影響を受ける
- プロジェクトが進まないのは、存在や次の行動が見えていないからかもしれない
- タスクシュートは記憶を補い、「今と次」を見えるようにして、やり忘れや選択の迷いを減らす
- 大きなプロジェクトは、開始できる最小の一手まで小さくする
- 完了を目指す前に、まずは1分だけ着手する
やるべきことを忘れたり、行動に移せなかったりすると、つい自分を責めてしまいます。
でも、そこで「もっと頑張ろう」と考える前に、環境を見直してみる。
やりたい行動は、目に入る場所にあるか。
タスクを見た瞬間に、最初の動作が分かるか。
もし見えていないなら、意志を強くする必要はありません。
次の一手を小さくして、目の前に置けばいい。
行動を変える最初の一歩は、自分を変えることではなく、自分の目に何が入るかを変えることなのかもしれません。
終わらせようとする前に、まず始めるきっかけをつくる。
今日進めたいプロジェクトから、1分で着手できる一手を一つだけ取り出してみてください。
補足:AIは「次の一手」を作る補助輪になる
プロジェクトを最小の一手へ分解するときは、AIも使えます。
たとえば、目的と現在地を伝えて、次のように聞きます。
このプロジェクトを前に進めるために、今から1分で着手でき、15分以内で一区切りつけられる具体的な行動を3つ提案してください。
AIが出した候補から一つを選び、タスクシュートへ置く。
AIは次の一手を作る補助輪であり、その一手を目の前に出して実行を支えるのがタスクシュートです。
- Obsidian:プロジェクトの目的や背景を残す
- AI:現在地から次の一手を提案する
- タスクシュート:選んだ一手を目の前に出す
この記事で紹介した「視覚的なきっかけ」や「環境が行動をつくる」という考え方は、『ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣』を読んで得たものです。
次の記事では、「Atomic Habits」という言葉に込められた意味と、この本を読んで僕のタスクに対する考え方がどう変わったのかを書きます。
▶ 大きな成果は「最小の一手」から始まる|『複利で伸びる1つの習慣』を読んで(準備中)
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